3月22日(金)はれ《スーパースター》
昨日深夜,部屋の棚を解体しながら引退会見を眺めていた.
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事あるごとに申し上げているが,僕はスポーツが嫌いである.もっと言うと,スポーツを取り巻く環境ごと嫌いである.だから興味が向くことも少ないし,部活動だって,好きで野球を見ているわけではない.応援してやりたい子どもがいなければ絶対にやらない.
イチローはスター選手だそうだ.技術も,熱意も超一級の選手らしい.らしい,というのは僕にその実感がないからだ.メジャーリーグの様子はニュースのスポーツコーナーでチラ見するぐらいしかない.どちらかといえば,僕の嫌いな「メディア」が作っているスポーツ選手以外の面のほうが印象深い.ユンケルとか,銀行?とか.
僕の持つイチロー像はその程度である.45歳,最後の一滴まで試合に身を捧げた選手に対して,この書き方は失礼だと思う.ファンの心象も最悪だろう.でも世界の何万の人々が応援して,支えてきたという事実は絶対である.熱い気持ちで期待して,昨夜拍手で称えたという事実は絶対である.それは計り知れないことだが,見て,聞いていれば分かることである.凄いと思う.
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子どもたちにメッセージを,と会見の中で質問があった.確か,「自分が熱中できるものや夢中になれるものを早く見つけてほしい」などと言っていた.ありきたりな言葉である.しかし,イチローが言うとその重みが違って聞こえた.ボンクラの僕も,近々そんなようなことを生徒に向かって話そうかと思っていたのだが,何か恥ずかしく感じられてきてやめようかと思っている.同時に,今年27になる自分にもメッセージを送ってくれたような気がして,少しうれしくなった.