夏の友

宿題

3月29日(金)はれ《明日のない日》

2年前の秋,A&GのTHE CATCHのichigoさん担当最終回を出先で1時間全部聴いていた.公開生放送だったと思う.後半でLIVE MY LIFEを生歌披露していて僕は泣きそうになっていた.一方,ichigoさんは感慨深そうに,寂しそうというよりはありがとうを明るく最後まで伝えていた.ああ,こういう最終回もいいなあとイヤホン越しにずっと浸っていたのを思い出す.


ついさっき,勤務校の仕事を全部終えて帰宅した.4月1日からは別の高校で働くことになる.つい1時間前までその実感が全く湧かなかったが,居室で3年間ご一緒した先輩たちに感謝を述べようとしたところでじわじわと感慨深くなってきた.楽しいこと以上につらいことを経験した3年間だった.でも,愛着のある学校だ.お礼を述べて頭を下げて,ぐっと一つ飲み込んで別れを告げた.

ただし,今日はすべてのお別れではない.明日は1日部活がある.それを終えたらさようならだ.そこで応援に来てくれる予定の先生と最後すれ違い,「また明日」と声をかけてもらった.そこで再び,込み上げるものがあった.


また明日,というのはまた明日や明後日に会うことが分かっているから言える言葉だ.それを言える人は,急にいなくなってしまった.また今度,は言えても不確実だ.遠い約束は守られないかもしれない.普段使っている言葉だけに,使えないときは寂しい.

今日は仕事の最終回なのだと思うと,ありがとうと最後まで明るく話すことができていただろうか.そうではなくても悪いことではないのだが,言えたほうが嬉しい.自分が.

その少し前に,不意に卒業生に会った.ぼくにとっては3年間一緒に過ごした仲間だ.他愛のない話と,お前らがんばれよ先生もやぞみたいな話をした.会えて良かった,ただそれだけの思いをした.何も残らないけれど楽しかったと心に残ればそれでいい.そういうふうに記憶に残る生き方をしたい.


月曜日から,教員歴5年目に入る.先輩方や同期はもとより,職歴でも年齢でも後輩の人間と働きはじめる.とても緊張している.新しく子どもたちと出会うことにも不安がある.でも,最後は明るく別れられるように頑張ろう.

明日が本当の最終日.明日の明日はないのだから,悔いの残らないように.