夏の友

宿題

8月8日(水)はれ《遠征》

# はじめての遠征

部活,遠征試合だった.まず電車やバスを駆使して会場に辿り着けるかどうかが最大の焦点だった.高校生だし流石に…という気持ちと,親心と「はじめてのおつかい」を見る視聴者の心がない混ぜになった気持ちで現地に向かった.

結果から言えば,皆時間までに集合できたし,試合ものびのびとやってくれたので何も言うことは無かった.選手の成長も所々見ることができて満足である.疲れて何をする気力も無くなったことだけがマイナスだが,子どもたちがいい顔をして帰っていったのを見てまあいいかと思う次第である.

 

# 高校野球

高校野球に限らず,感情移入しづらい選手たちを応援して熱中できる,というのが実に苦手であった.

小さいときはドラゴンズファンを自称していた.父親の影響である.井端とか,立浪とか,谷繁とかが凄いと訳も分からず幼心に思っていた.それからしばらくして勝率が下がって,応援する気力が無くなった.野球には興味を持っていたほうがいいのかなと思って世間が「カープ女子」ブームに盛り上がる中,乗じてみようかと思ったが知らない選手を一から覚えて……と考えたら嫌になって,現在に至る.

世間は高校野球で非常に盛り上がっている.世間であまり盛り上がらない方の高校野球の手伝いをしている身,甲子園の様子を知っているべきなのだろうが,一球団どころか何千人いる選手たちに感情移入できないなあと理由をつけて敬遠していた.

ところが,今回の部活の遠征試合で気がついた.僕自身もベンチで応援の声を出していたのだが,声の先の半分は新チームの1年生達である.今まで上級生の陰に隠れていた彼らは,今日の試合でようやく日の目を浴びている.つまり,ぶっちゃけ実力をよく知らない選手質を今回応援していた.で,めっちゃ良かった.今日応援することと,テレビの中のよく知らない選手を応援することと何が違うのだろうか.いや,大切な自分の学校の生徒なのだけども,野球を応援するということに関してあまり差は無いように思った.

スポーツ大嫌いで始まった自分の人生が少しずつ変わっていく音がする.もしかしたら気のせいかもしれないけれど,気のせいじゃないかもしれない.