夏の友

宿題

9月11日(火)くもり《賞味期限切れのちくわは食べないほうがいい》

危うく食中毒である.

今,進学校ではないけれど微分積分を2系統で教えている.そのうちの1系統の方は,2単位科目で2年間で数Ⅲを終わらせることになっている.マジか,という感じだが,この学校に来て3年目にもなると感覚として麻痺してきた.んで,折角在籍しているならと思って志願してそのコースを今年担当している.自分の裁量でやっていいよと言われているので,今年だけでも好き勝手やらせてもらおうと企んで,半年が過ぎようとしているのが現状である.

何はともあれ,数Ⅱの部分の微積はしっかりやらねばならないので今しっかりやっている.もうすぐ微分が終わる.まもなく積分に入る.*1積分が終わったらいよいよ数Ⅲである……が,自分も数Ⅲで苦しんだ身,週2コマで計算に習熟できるわけがないのは理解している.そこで,大鉈を振るって「如何に最短距離で大学の微分積分学の科目に接続できる程度の微積の知識と技術を身につけるか」を今考えているわけだ.

積分法はテクニック重視なので,まあ置換積分と部分積分,面積と回転体の体積まではしっかりやる.大鉈振るいはそれ前の内容である.数学Ⅲの極限から微分法のあたりは今後Taylor展開することを目指して組まれている印象がある.ただ,一歩手前で大学に放り投げているのでよくわからない.微分係数の定義式で極限移行する前の式を使って1次近似ができることを謳っているのに,マジで尻切れトンボである.*2なのでうちの学校では割愛.

今の数Ⅲは亡き数Cの2次曲線まで引き受けたので,陰関数の微分や媒介変数の式の微分までやることになっている.でも話題だけなので割愛.魅力的ではあるんだけどね.

問題はそうやって削っていくと,「この公式で直接計算するわけじゃないけど,ここから生まれる公式がめちゃ大事」という説明だけに時間が取られる厄介なものがいくつかあるのに気づく.一つはlim sinx/xである.はさみうちでなんとかするのだけど,大学入試を受けさせるわけじゃないからはさみうちはいらない,するとこの極限を求めるのもやりたくない.

もう一つは,指数対数関数の微分のあたりである.ネイピア数を定義しながらどうスマートに片付けるかが問題である.そこらへんを思案してたのがこの辺である:

本当はネイピア数の定義に戻りながら示してあげるべきなんだろうが,それを避けて要領よくやるのは割と難しいと思う.天下りにやるのも数Ⅲにもなってやるべきことではなくて,多少なりとも納得させるのが我々の責務だとも思う.来年この高校にいる保証もなにもないのだが,まあ,やってみるさ.

*1:夏が終わる.秋が来る.みたいな何も言っていない感じに我ながらウケる.

*2:ただそのおかげで,物理でやる√(1+h)の近似式の話がここで理解できるはずなので無意味とは思わない.ただただ中途半端という印象である.