夏の友

宿題

8月29日(水)はれ《平衡感覚》

どんな態度で人に接するか.授業をしていると常に考えることである.女子生徒が多いクラスを担当しているが,今年は女子には「さん」をつけて呼ぶようにしている.去年までそんなことなかったのにね.ここら辺にも迷いがあって,4月頃に止めればよかった.なんとなく1枚膜を隔てたような状態で人前に立つことになってしまっていて,しかしもはや今更変えるのも不自然である.少し後悔している.

8月27日(月)はれ《始業式》

昨日の夜はちょっとつらかった.世間の子どもたちが心を不安定にするように,教員だって休み明けはつらいのだ.要は客の前に出る,というわけだから心構えが要る.それにエネルギーを要する.

ただ,今日は何事もなく終わってくれてホッとしている.こういう日に限ってなにかあるのが世の常だが,今日は特になかった.よかった.2学期の幕開けである.

8月26日(日)はれ《新人》

ディーラーから受けよ(意訳)と言われていた半年点検を受けてきた.お盆の予定を決めあぐねていたところに「受けなさい」と電話がかかってきて,いつならよいかと聞かれたまま放置をしていたら怒られた.小学生か.いや怒られてはいない.

時間ぴったりにディーラーに着いた.*1ガラス張りの店内から駆け足で見慣れないスタッフが駆けてきた.若い男性だ.年の頃は自分と同じぐらいか.トヨタともなれば営業マンは院卒で新人研修で……といった感じだろうから,若くても24歳.それだとちょうど自分の一つ下になる.

点検をお願いした後は,僕はたいてい置いてある旅雑誌などを読む.携帯の中身なんて家でも見られる.だからこういうときくらい別のものを読もう,という感じだ.温泉だったり,これからの果物狩りの情報を眺めていると,新人の彼が来た.研修の一環でアンケートに答えてほしいという.客とニーズを掴めということなのだろう.さらさらっと答えてしまおうかと思っていたら,新人の彼はこちらを注視しまくっている.で,ボールペンの先の行方にひとつひとつ反応して,相槌を打ってくる.……とてもやりづらい.

ひとつひとつの所作がどことなくぎこちなくて,そんなところでフレッシュさを感じる.社会人1年目の自分や2年目で正規採用をもらったときの自分もこんな感じだったんだろう.何となく周りの温かい眼差しを感じたことがあるが*2,それを自分が送っているというのが分かる瞬間だった.

*1:こういうとき,時間ぴったりに行くのが良いのか,5分前集合の方が良いのかが分からない.こちらはお客様だというのもあるけど……うーむ

*2:今もそうだったりするが.

8月26日(土)はれだったとおもう

愛車の半年点検を受けよと催促が来たため実家に帰る.

詳しく言うと,細野忍「微分幾何」(朝倉書店)である.そういや明倫館で割とお手頃価格で買ったなあと思って開いてみたら,PDFの手書きノートの種本だったのだった.証明の流れが分からなかったのは空間のフレネ・セレの公式のあたりだ.昔小林昭七本を買って自習して1回,3年のときの講義を受けてもう1回学んだはずなのにもう忘れていた.何のことはなくフレネフレームの内積微分すればいいし,常微分方程式の解の存在と一意性の定理を使えば曲率と捩率と初期条件から曲線が決定できるよ,という感じのことである.やっぱり使わねば忘れるのである.

にしたって,手書きノートだって種本くらい明示しておくべきだろう.参考どころかその本で勉強した跡なんだから,それが礼儀というものだ.ただいくつか勉強ノートがある中で参考文献を明示していなかったのはこのノートだけだったので叩きすぎるのはアレなんだけど,だいぶ憤慨はしている.ふんがー.

8月21日(金)くもりあめ

今日は1日中会議と研修だった.だいたいこういうものたちは空虚な感じのものなのだが,教育心理学的な研修は短時間ながらとても有用だった.講師もこちらのツボを押さえている話し方で,心地よかった.

ツボを押さえているというのは,大事なところをしっかり強調して分かりやすく伝えてくれる,というのもそうなのだが,冗談や間合いがこちらの琴線に触れるようなものだったのが良かった.「この人は僕たちの味方だ」と感じさせてくれる.これは大事なことで,内容はどうかとかそれ以前に話を聞こうという気を起こさせてくれるわけである.今回は内容も良かったのでその効果は2倍3倍増しであって,とっても有意義だった.研究された話術なのか,経験則に基づくものなのかまでは分からない(というかどうでもよい)が,学ぶべき人が講師に来てくれてよかった.複数人の講師がめいめいに騒ぐ消防訓練よりも……おっと.

まあ,ともあれ明後日の日曜日で夏休みは終わりである.